第4回:行動科学的ハイブリッドモデルの提案~禁止と推奨の「二刀流」~ <連載> 服務規定作成のための実践ガイド(全7回)


こんにちは、分かりやすさNo.1社労士の先生の先生、岩崎です!

前回は、禁止規定(ネガティブリスト)の必要性と限界についてお話ししました。

今回は、就業規則を「生きたツール」にするための「ハイブリッドモデル」をご提案します

ハイブリッドモデルとは?

ハイブリッドモデルとは、法的な守りである「ネガティブリスト(禁止規定)」に加え、従業員の行動を促進する「推奨行動(ポジティブリスト)」を組み込んだ就業規則のことです

従来の「服務規律」を二層構造に再編することで、「守るべきルール」と「目指すべき行動」を明確に分けるのがポイントです。

第1層:禁止事項(レッドライン)

第1層は、従来どおりの禁止事項です。目的は組織防衛と懲戒の根拠であり、形式はネガティブリスト(~してはならない)となります。例えば「正当な理由なく遅刻をしてはならない」といった規定です。

これは「最低限の防衛ライン」として、絶対に守らなければならない事項を定めます。ここを超えてしまった場合には、懲戒処分の対象となります。

第2層:推奨行動基準(グリーンライン)

第2層は、新たに追加する推奨行動です。目的は生産性向上、文化醸成、評価の根拠であり、形式は死人テスト合格行動(具体的動作)となります。

例えば「始業15分前にはオフィスに到着し、PCを起動して業務準備を整えることを推奨する」といった規定です。

こちらは「こうすれば優秀」という行動基準を示すものです。強制ではありませんが、実践すれば評価につながる行動を明示します。

なぜ「二層構造」が効果的なのか

禁止事項と推奨行動を混ぜて記述すると、どっちつかずの印象を与えてしまいます。

明確に二層に分けることで、従業員は「ここを超えたらアウト」「ここまでやれば高評価」という基準が明確になります

レッドライン(禁止事項)は、超えてはならない最低ラインです。グリーンライン(推奨行動)は、目指すべき理想の行動です。この両方を示すことで、従業員は「何を避け、何を目指せばよいか」がクリアになります。

「処罰のための法律集」から「成長のためのガイドブック」へ

このハイブリッド構成により、就業規則は「処罰のための法律集」から「優秀な社員になるためのガイドブック」へと進化します

従業員にとっても、「何をすれば怒られるか」だけでなく「何をすれば評価されるか」がわかるので、前向きな行動を取りやすくなります。

次回は、このハイブリッドモデルの具体的な書き換え事例(Before/After)をご紹介します。実際にどのように規定を変えていくのか、具体例で見ていきましょう!

 

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