こんにちは、分かりやすさNo.1社労士の先生の先生、岩崎です!
前回は「死人テスト」という考え方を使って、従来型の就業規則が抱える問題点を検証しました。
今回は、ネガティブリスト(禁止規定)の必要性と限界について掘り下げていきます。
禁止規定はなくせない:企業防衛の「レッドライン」
前回、禁止規定の問題点をお話ししましたが、だからといってネガティブリスト(「○○してはならない」)を全廃することはできません。
企業防衛の観点から、これらは「最低限守るべき防衛ライン(レッドライン)」として絶対的な必要性があります。
まず、懲戒処分の法的根拠として必要です。日本の労働法制下では、従業員を懲戒処分(減給、出勤停止、解雇など)にする場合、あらかじめ就業規則にその事由を明記し、周知させておく必要があります。これは罪刑法定主義の類似原則といえます。
「許可なく兼業・副業を行わないこと」「ハラスメントを行わないこと」と明記されていなければ、秩序違反に対して適切な処分が下せず、企業秩序が崩壊するリスクがあります。
次に、明確な境界線の提示として必要です。情報漏洩や横領など、企業の存続に関わる致命的なリスクについては、「何がアウトか」を明確に線引きする必要があります。
しかし、禁止規定だけでは組織は育たない
ネガティブリストだけで構成された規則は、以下のような心理的副作用をもたらします。
第一に、心理的リアクタンス(抵抗感)です。「~するな」と禁止されると、人は自由を奪われたと感じ、無意識に反発したくなる心理(カリギュラ効果など)が働きます。禁止されればされるほど、やりたくなってしまう……そんな経験はありませんか?
第二に、最低基準への貼り付きです。「遅刻しないこと」が目標になると、従業員は「始業ベルが鳴る瞬間に滑り込めばセーフ(怒られない)」という行動をとります。「余裕を持って準備する」という高い次元の行動は引き出せません。
第三に、思考停止(指示待ち)です。「書かれている禁止事項以外は、何をやってもいい(あるいは何もしなくていい)」という解釈を生み、自律的に考える力を奪います。
「怒られないこと」が目標になる組織
禁止規定ばかりの組織では、従業員の目標が「成果を出すこと」ではなく「怒られないこと」「問題を起こさないこと」になってしまいます。
これでは、新しいことにチャレンジする気持ちは生まれませんし、改善提案も出てきません。「言われたことだけやっておけばいい」「余計なことはしない方が得」という風土が醸成されてしまいます。
禁止と推奨のバランスが必要
就業規則を「生きたツール」にするためには、法的な守りである「ネガティブリスト」に加え、従業員の行動を促進する「推奨行動(ポジティブリスト)」を組み込む必要があります。
次回は、この「ネガティブリスト」と「ポジティブリスト」を組み合わせた「ハイブリッドモデル」について、その考え方と構造をご紹介します。禁止と推奨の「二刀流」で、就業規則を変えていきましょう!
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